流行ること間違いなし!新生Burberry!160年以上の歴史と伝統を徹底解説!
創業160年以上の歴史を持つ、英国を代表するラグジュアリーブランドであるBurberry(バーバリー)。
2022年には、あのダニエル・リーがデザイナーに就任し、新生バーバリーとして、魅力的なアイテムを続々と発表しています。
今回は、そんなバーバリーの今日までの長きにわたる歴史を紹介します。
ブランドの誕生
ブランドが誕生したのは、今から160年以上も前の1856年で、当時21歳だったトーマス・バーバリーによって、イギリス帝国ハンプシャー州ベイジングストークで創設されました。
創設当初は、小さな仕立て屋でしたが、品質へのこだわりや品揃えの良さで話題を呼び、大規模小売店へと発展します。
バーバリーは、農民や羊飼いが汚れを防ぐために羽織っていた上着に着目し、仕立て屋の仕事と並行して、コットンの研究を始めます。
そして1879年、ギャバジンと呼ばれる耐久性・防水性に優れた新素材を発明し、従来の重く、着心地の悪かったレインウェアに革命をもたらしました。
1888年には、特許を取得し、1917年まで、製造権を独占。
1893年になると、ノルウェー人の探検家で動物学者、ノーベル平和賞受賞者でもあるフリチョフ・ナンセン博士が、バーバリーギャバジンを着用し、北極圏に出向しました。
トレンチコートの誕生
バーバリーといえば、トレンチコートを思い浮かべる方も多いはず。。。
そんなトレンチコートの全身とされているのが「タイロッケンコート」と呼ばれるシングルストラップとバックルで開閉するデザインのものでした。
「タイロッケンコート」は、1895年、ボーア戦争の際に、イギリス人士官のために製造されました。
1914年、第一次世界大戦が勃発し、軍部の要請により、塹壕(トレンチ)での戦闘に合わせてタイロッケンコートを修正します。
そして誕生したのが、手袋やホイッスルなどの軍用品を吊るすためのエポレット、手榴弾の持ち運びに使われるDリング、戦闘中の衝撃から身を守るガンフラップ、雨水が背中から早く流れ落ちるように設計されたストームシールドといった多くの機能を備え持ったバーバリートレンチコートです。
バーバリートレンチコートは、英国陸海軍に正式採用され、対戦中に50万着以上着用された後、終戦後には、市民に広まっていきました。
王室御用達ブランドへ
バーバリーの発明したギャバジン製の製品は、その機能性の高さから極地探検家の防寒着やパイロットの飛行用衣料として愛用されていました。
その功績が認められ、1919年にジョージ5世より、コート・ジャケット部門の「イギリス王室御用達」(ロイヤルワラント)を授かります。
その後、1955年、1989年にも同部門の「ロイヤルワラント」を授かり、イギリスを代表するブランドとして確固たる地位を築きました。
ファッションシーンでの活躍
「バーバリー・チェック」といえば、誰もがバーバリーを連想する、あまりにも有名なデザイン。
そんな「バーバリー・チェック」生まれたのが、1924年。
当時は、主にコートの裏地として使用されており、現在ほど多くの人には知られていませんでした。
「バーバリー・チェック」が脚光を浴びるきっかけとなったのが、1964年に開催された東京オリンピックです。
東京オリンピック出場の為、移動していた英国女子チームの腕にかかっていた、トレンチコートの裏地が見えた時から、世間でも広く認知されるようになりました。
1967年、パリのショーにて発表された傘にコートの裏地以外で初めて、「バーバリー・チェック」が使用されました。
その後は、トップスやパンツ、バッグなどの様々なファッションアイテムに使用され、カラーバリエーションやチェックのパターンを増やしていきました。
低迷期
ここまで、王室に認められ、ファッションシーンにおいても一躍脚光を浴び、順調なバーバリーでしたが、1970年代以降、サブカルチャーとの結び付きが増加し、顧客層が大きく変化しました。
日本では、1970年にバーバリーよりライセンスを受けた三陽商会が日本人の体格にあわせ製造し、日本限定商品として展開し始めます。
90年代には「ブラックレーベル」女性用の「ブルーレーベル」が立ち上げられ、バーバリーは空前の大ヒットを記録しました。
しかし、ブランドがカジュアル化することによって、イギリスを代表するラグジュアリーブランドとしての付加価値は失われ、業績も低迷していきました。
ブランドを支えたデザイナーたち
- ロベルト・メニケッティ
ジルサンダーのアシスタントデザイナーを経験した後、1999年にバーバリーの高級ラインである「バーバリー・プローサム」のクリエイティブ・ディレクターに就任しました。
メニケッティは、素材への探究心が高く、天然素材と化学繊維を組み合わせたアイテムは、その着心地の良さから高い評価を受けていました。
2000年には、ELLEスタイルアワードにてブリティッシュ・ベスト・デザイナー賞を受賞し、2001年までディレクターを務めました。
同時期に、ブランドロゴが、「Burberrys」から「BURBERRY」に変更され、シンプルでモダンなデザインになりました。
- クリストファー・ベイリー
2001年、ベイリーがデザインディレクターに就任した時、バーバリーのブランド価値は、ライセンス事業により、危ういほど低く、威信を失っていました。
ベイリーは、2006年に就任したCEOのアンジェラ・アーレンツと共にブランドの再生に挑みます。
まず二人は、ライセンスを買い戻し、デザインを集中化し、バーバリーの伝統や英国らしさにフォーカスを当てた、製品作りを目指し、クラフトマンシップをブランドの核としました。
次に行ったのは、トレンチコートのアップデートです。
デザインと製造の拠点を英国に置いたことで、美しく長持ちする製品が作れるようになり、モダンでスタイリッシュなデザインを取り入れることで、バーバリーのトレンチコートは、再び人気を取り戻します。
10年前、アレキサンダー・マックイーン、ステラ・マッカートニー、ヴィヴィアン・ウエストウッドなどの英国を代表するデザイナーたちが拠点をパリに移したことで、ロンドン・ファッション・ウィークの終焉が予想されていました。
そんな中、ベイリーは、アーティストのライブパフォーマンスやSNSとの革新的なコラボレーションによってショーの付加価値を高め、ロンドン・ファッション・ウィークに欠かせない存在に。
2009年春夏コレクションでは、ラグジュアリー業界では敬遠されていたSNSを積極的に使い、ブランドのデジタル化の先陣を切ります。
同コレクションでライブストリーミングを行い、これまで閉鎖的だったキャットウォークを民主化。
2016年9月には、「SEE NOW、BUY NOW」形式を導入し、ショー当日にコレクションがブティックで購入することが可能になり、これまでのファッション業界に革新をもたらしました。
同年、元EXOのメンバーであるクリス・ウーとのコラボで中国に進出し、全体の売り上げの4分の1を占めるほどのビッグマーケットに。
これらの功績の結果、2006年から2013年の間に会社の価値は、3倍の70億ポンドにまで成長しました。
2001年から17年もの間バーバリーを率いたベイリーは、2018年3月をもって、同ブランドを退きます。
- リカルド・ティッシ
ティッシは、12年間在籍したジバンシィを離れ、2018年にバーバリーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任。
ダークで型破りなデザインで知られていたデザイナーだったこともあり、バーバリーの英国らしさを表現することは、難しいだろうと言われていました。
そんなティッシの功績として挙げられるのが、ロゴの変更です。
旧ロゴに比べ、太字、やや丸みを帯び、ブランド名の下に「LONDON ENGLAND」と書かれたデザインは、ティッシが手がける前衛的なデザインとも相性が良く、若者世代など、新たな層を取り込むことにも成功。
他にもTBモノグラムと呼ばれる新たなデザインやSupremeとのコラボレーションによってバーバリーに大きな変化をもたらしました。
- ダニエル・リー
2022年10月、セリーヌやボッテガ・ヴェネタでの経験を経て、バーバリーのチーフクリエイティブディレクターに就任。
デビューコレクションとなった2023年秋冬では、ファーストルックでブランドの象徴であるトレンチコートを発表。
リーによって作り出されたトレンチコートは、ストラクチャード ギャバジンと呼ばれる密度の高い、重みのある生地で、程よいオーバーサイズなシルエットがモダンな雰囲気を醸し出しています。
さらに、新たなブランドのアイコンとして、リーによって再解釈された「馬上の騎士」のエンブレム、英国の国花であるバラ、同じく英国で親しみ深い鴨をモチーフに。
トレーナーには、「THE WIND OF CHANGE(変革の風)」、「THE CHANGE IS INEVITABLE(変化は避けられない)」とデザインされており、リーがバーバリーの新たな歴史を築こうとしていることが伺えます。
他にもバーバリーチェックを再解釈し、リーのもつ鮮やかかつ毒のあるカラーパレットで表現することで、独特な雰囲気に。
若きデザイナーと英国の老舗ブランドのコンビにこれからも目が離せません。
まとめ
今回は、英国を代表するラグジュアリーブランドである、バーバリーの誕生から今日に至るまでの歴史を紹介しました。
様々な困難を乗り越え、若きデザイナーによって今後、益々人気を獲得していくであろう同ブランドに目が離せませんね。
では、また!